研究内容
実験装置紹介
全部は紹介しきれないので、研究室にある実験用の装置のうちでめぼしいものをリストアップします。超短パルス光源を利用した非線形光学実験をメインに、サンプルの作成からシミュレーションまで幅広く行なっています。 本人の熱意次第で、いろいろなことに挑戦できる環境です。
レーザー
coherent MIRA (フェムト秒オシレータ) + MIRA OPO (波長変換用OPO)
120fsの時間幅と76MHzの繰り返し周波数を持ったチタンサファイアレーザーです。OPOによって可視領域から近赤外までの波長をカバーできます。 これまで、固体水素の実験などに使用してきました。現在は主にコヒーレントフォノン実験用に使用しています。
coherent Micra (フェムト秒オシレータ) + Legend Elite (フェムト秒再生増幅器) + OPERA solo (波長変換用OPA)
~35fsの時間幅と1kHzの繰り返し周波数を持ったレーザーです。パルスあたりのエネルギーが大きいので、パルスを分割してポンププローブ実験などが容易に可能。OPERA soloは赤外光発生までで、それ以降は外付けの結晶で紫外領域から可視領域まで幅広い波長に変換可能。 中赤外ポンププローブなど、いろいろな実験で使用中。
中赤外生成用DFGユニット + 中赤外実験系
OPERA soloの出力から差周波発生によって、中赤外領域のフェムト秒パルスを生成するユニット。実験スペースの都合から、OPERA soloから離れた場所で独立に発生させています。 中赤外光を利用した実験についてはいずれ紹介します。
オートコリレータ (自作)
フェムト秒パルスの時間幅を評価する装置です。スピーカーを利用した自作品ですが、ちゃんと測れます。LABVIEWによってリアルタイムでモニタ可能。買ったら100万弱覚悟しないといけませんからねえ。
その他のレーザー
355/532nm ナノ秒YAGレーザー
パルスあたりのエネルギーは大きいが繰り返し周波数は20Hzが最高。
CW He-Neレーザー
半導体レーザーより単色性が良くビームの質も高いので、干渉系のアライメント学習用に使用。マイケルソン干渉光学系を作成して、最低90%程度のコントラストを出すことが、レーザー実験初心者への課題です。
参照光として、フィードバックループ制御と組み合わせることで、アト秒精度でパルスのタイミングを調整可能。
半導体レーザー
たくさんあります。主にアライメント用。
ステージ他
電動ステージ (newport, 駿河精機)
fast scan unit (APE scandelay)
ピエゾステージ (PI, nanocontrol)
空間位相変調器(2次元)
792x600ピクセルの液晶画面で、個々のピクセルに電圧をかけることで位相の変調量を制御できる。 レーザー光の面内における位相分布をデザインすることにより、集光面での2次元的な強度分布、位相分布を制御することができる。
CCD/CMOS カメラ
性能によってピンからキリまであります。メインで使用しているのはAndor NEWTONです。PrincetonのProEM512もありますがハズレを摑まされたようで、ペルチェがトラブってばかり。いまいちです。
分光器
地味に高い。Solar TII使いにくい。金があればプリンストンかアンドールが無難。
極低温実験用クライオスタット
液体ヘリウム光学クライオスタット (IRLabs)
二層式のクライオスタットですが、NAISTには液体ヘリウム供給施設がないので、液体窒素温度で使用しています。分子研時代には固体水素の実験を全てこれで行なっていました。 非常に良い品です。
パルスチューブ型冷凍機
スイッチポンで4Kまで下げられるので便利ですが、自分で装置を作る感は薄いですね。振動がネック。
細々としたもの
オシロスコープ、チョッパー、ボックスカー積分器、カレントアンプなど一通りは揃っています。欲しいものはいくらでもありますが。