研究内容

物質の性質は、その物質を構成する個々の原子分子の性質によって決定されますが、多数の原子分子が位相関係を保ったコヒーレントな量子状態では、新しい光学的、電磁気学的性質を示すことがあります。本研究室では、マイクロキャビティ中のポラリトン、コヒーレント集団フォノン振動、有機半導体ナノ結晶などさまざまな形態において物質が示す量子的な現象を、光を利用して解き明かし、それらを積極的に利用することで化学反応触媒や発光素子、光スイッチングデバイスなどへの応用を目指して研究を行っています。詳細については以下のリンクからご覧ください。


コヒーレント制御入門
近年の高度に発達した光整形技術を利用することで、スペクトルや時間エンベロープ、空間モードなどさまざまな性質が精密に制御されたレーザー光を準備できます。このような光を利用して、対象とする量子系の波動関数の振幅分布や相対位相を制御する手法をコヒーレント制御と呼びます。その対象は孤立分子から複雑な量子多体系まで広い範囲に及びます。ここでは簡単な系でその基礎について紹介します。
コヒーレントフォノン制御
コヒーレントフォノンは、超短パルスの照射で励起される、隣り合う原子(分子)の位相が明確な状態で定義されるフォノン運動です。上述のコヒーレント制御の応用で、フォノンの振幅を制御することも可能です。現在、この手法を応用して、対象とする結晶のバルクな性質を制御することを目指した研究を進めています。
励起子及び振動ポラリトン状態の観測と制御
光の波長程度の微小な領域に光と物質を閉じ込めることで、両者が混ざり合った新たな量子状態(ポラリトン状態)が形成される。この状態では、多くの分子が光を通して協調的に結合し、通常の分子とは異なる化学的・物理的特性を示すことが知られている。超短パルスレーザーを用いてポラリトン状態が示す特性の原因を追求し、その超高速ダイナミクスについて解き明かすことを目指しています。
実験装置紹介
現在研究に使用している主な装置について、簡単に紹介します。
その他
研究を進める上で役に立つかもしれない(?)便利な小ネタ集です。